学術ネットワーク Academic Network for Shurijo Reconstruction and Renaissance 琉球大学は、学術的な立場から首里城の再興に貢献します。

写真:河野哲舟

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No. 36 首里城関連トピックのご案内(2021年11月10日)

━━━━━━━━━━━━━━━ vol.036 ━ 2021.11.10 ━━

首里城学術ネットワーク メールマガジン

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*このメールは、首里城再興学術ネットワークのイベントに参加された方、

 沖縄県振興審議会委員等情報交換会ご案内メンバー、

 およびメール配信を希望された方などにお届けしております。

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こんにちは! 首里城再興学術ネットワークのメルマガ担当です。

 

沖縄でも、この頃ようやく過ごしやすい気温と気候になってきました。

窓から吹き込む乾いた風や、それほど痛みを感じなくなった日射しに、

沖縄にも短い秋が訪れているのだなと思う日々です。

 

首里城焼失から2年が経過し、

テレビや新聞では取組の検証も含めた様々な特集報道があり、

今年も関係する機関や団体が多彩なイベントを開催されています。

ネットワークの仕事に関わるようになり、

人の記憶の風化を防ぎ、

移ろう想いを留めて育てることの難しさを感じることも多いのですが、

一つひとつの報道やイベントの概要を拝見しては、

復興に向けた想いを束ねるような皆さまの取組の力強さに、

私たちも励まされた続けた10月でした。

 

今号は、11月に入り、色々と新しい動きもうかがえる首里城について、

関連するトピックをお届けしてまいりますので、最後までお付き合いください。

 

 

【1 復興が進む首里城の現在をご確認ください♪】———————————

 

■【首里城公園】首里城火災から2年が経ちました。現在の首里城の様子をお届けいたします。【世界遺産】

 (YouTubeチャンネル:ミス沖縄のおきなわ観光TV)

https://www.youtube.com/watch?v=DzFNAc0sT3M

 

まずは、オンラインで楽しめるコンテンツからご紹介です。

こちらの動画は、首里城焼失から2年を経た現在の首里城公園を、

ミス沖縄の皆さんが首里城公園の解説員の方と一緒に紹介していく、

約21分の動画となっています。

 

解説員の方が「雨上がりの首里城は美しい」と表現するのを聞き、

雨滴で空気中や木々の葉の埃が払われ、

雨後の日の光を受ける首里城や石積みの様子が思い浮かび、

憂鬱にも感じる雨に楽しみを見出せそうだと感じました。

 

■首里城復元の取組状況と仮設見学デッキ等の完成について

(定例記者会見資料/沖縄総合事務局)

http://www.ogb.go.jp/-/media/Files/OGB/Soumu/teireikaiken/r3-1021/04.pdf?la=ja-JP&hash=DEF6899A2D8A57D88B84175CD26D2CDEFF5E4545

 

ミス沖縄の皆さんの動画でも紹介されていた新設のデッキについて、

実際に訪問する前に知っていると、

現場で感じ取る情報が増すと思われる情報のご紹介です。

↑↑リンク先↑↑の資料には、設置までの復元の概要だけでなく、

デッキの勾配や解説板のイメージなどが記載されています。

 

今回の復興のコンセプトにもなっている

「見せる復興」のための様々な取組によって、

訪れるたびに少しずつ異なる姿で私たちを迎えてくれる首里城公園は、

焼失後の痛ましい姿やかつての鮮やかな姿を想起させるだけでなく、

復元や復興に携わる多くの方々の直向きな取組や想いを

静かに伝えているように思います。

 

□首里城「見せる復興」へ 見学デッキが10月27日オープン(沖縄タイムス)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/853151

 

□首里城 仮設デッキ利用へ 解説板で“見せる復興”(琉球新報)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1413761.html

 

□最新の情報は本家でご確認ください。

①首里城公園WEBサイト

https://oki-park.jp/shurijo/

 →やはり本家なので、充実したコンテンツがみっちりと揃っているのですが、

  トップページの下の方にひっそりと一行リンクで表示された

  「スタッフブログ」は、書き手のお人柄が仄見えて、とても好ましいです。

 

②首里城公園YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCECHLlyK1ttS9acFsC9slNQ

 →最近UPされた動画でお気に入りなのは、

  鳥の視点で首里城公園を眺めることができる

  「首里城 復興へのあゆみ ドローン空撮 Vol 2」です!

 

③首里城公園公式Facebook

https://www.facebook.com/shurijocastlepark/

 イベント時には臨場感のある投稿もあり、現地にいるような気分を味わえますよ♪

 

【2 執心鐘入のダイジェスト版が視聴できます!】———————————

 

■組踊「執心鐘入」のダイジェストが日本語字幕版、英語字幕版で配信されています。

 (国立劇場おきなわ公式YouTubeチャンネル)

https://www.youtube.com/channel/UClnv3rmMdekvyRJtDD8uJPA

 

組踊の演目の中でも人気が高い「執心鐘入」の見どころがギュッと詰まった、

良いとこ取りのダイジェスト版が配信されているのを発見したのでご紹介です♪

中城若松の若衆らしい凛々しくも麗しい所作やせりふの唱え、

宿の女が思いを伝えたいと逡巡する際のいじらしさとは懸隔の甚だしい、

鬼に変じてから面をかけるまでの、まさに「執心」を感じさせる形相、

寺の小僧たちのユーモラスな表情や動き、

座主と小僧たちが鬼となった女を法力で鎮めるまでのやり取りを、

約17分で、あなたのお好きな場所で堪能することができます。

 

個人的な感想ですが、すごく贅沢なコンテンツだと思います。

しかも太っ腹なことに、

鬼となった女が吊り上げられた鐘を使って行う、

歌舞伎でいうところの「けれん」のような軽業的な演出もちゃんと含まれていました。

ここでその内容を細かく記すと面白みがなくなると思いますので、

どうぞ、コンテンツの14分50秒くらいから始まる演出をご確認ください。

本当にこれぞダイジェスト版という感じで、

瞬きを忘れて目が乾くくらいに見せ場の連続だと感じました。

 

□「執心鐘入」ダイジェスト版(15分版)日本語字幕

https://www.youtube.com/watch?v=8BcohUscLhw

 

□Kumiodori ”Shushin kaneiri”(English Subtitles)15 minutes

https://www.youtube.com/watch?v=MkRoDnfD7iQ&t=16s

 

 

【3 首里城関連トピック詰め合わせ】———————————

 

1.首里城復興レポート Vol.6 が公開されました!(沖縄県公式首里城復興サイト)

https://www.shurijo-fukkou.jp/activity/report/

 

 本メルマガで注目し続けている復興レポート最新版が公開されました!

 今号も、もちろん細かなところに気配りの行き届いた内容で、

 各委員会での検討内容などが

 コンパクトにわかりやすくまとめられていますので、ぜひお目通しください。

 ちなみに、沖縄県、沖縄県立芸術大学と本学で共同開催した、

 「首里城再興学術ネットワークシンポジウム2021」も紹介されています。(小声)

 

2.貴重な赤瓦が一般公開されています!(12月26日まで)

 令和3年度那覇市立壺屋焼物博物館特別展 「うちなー赤瓦ものがたり」

 (那覇市立壺屋焼物博物館WEBサイト)

http://www.edu.city.naha.okinawa.jp/tsuboya/2021.1102-1226.html

 

 モノレールの吊り下げ広告で開催をご存じの方もいらっしゃると思いますが、

 首里城復興応援企画として開催されている特別展では、

 なんと50年ぶりに、

 年号が書かれたものとしては

 沖縄で最古となる1738年作成の赤瓦などの展示が行われています。

 

 この特別展では、

 いわゆる「沖縄」でイメージされる、青い空の下で真夏の日差しを照り返す赤瓦が、

 どのような変遷を経て用いられるようになったのかという

 歴史を踏まえた展示が行われるようです。

 

 私どものネットワークにおきましても、

 瓦に関連した学内研究プロジェクトを支援したご縁もあり、

 なかなかお目にかかれない貴重な機会を共有させていただきました。

 

 □沖縄最古の赤瓦、50年ぶりに公開

  首里城の瓦の変遷も紹介 壺屋焼物博物館 (琉球新報)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1418466.html

 

 □【参考】首里城の建物に葺かれていた瓦の色は赤色なのか、灰色なのか

  (沖縄県立博物館・美術館HP)

https://okimu.jp/museum/column/1604882797/

  こちらを読んでいただけると、様々な色が重なり合う瓦が葺かれた首里城のイメージがより深まるように思います。

 

 □【参考】非破壊的な理化学分析による首里城瓦の製作技術の変遷の解明

  (琉球大学×沖縄県工業技術センター/ネットワークWEBサイト)

https://res.skr.u-ryukyu.ac.jp/project02.html

 

3.琉大学生を対象にした集中講義「琉大首里城講座」を聴講しました!

 全ての講義は聴講できなかったのですが、講義の様子を一部お伝えします。

 「琉大首里城講座」シラバス(琉球大学シラバス)

https://tiglon.jim.u-ryukyu.ac.jp/portal/Public/Syllabus/SyllabusSearchStart.aspx?lct_year=2021&lct_cd=101288002&je_cd=1

 

 集中講義2日目の10月23日は、

 前半は、本学工学部 カストロ ホワンホセ 教授から

 「首里城からみる琉球の木造建築」と、

 教育学部 尾方 隆幸 准教授から

 「首里城の自然環境について」の講義があり、

 後半は、首里城復元・復興の施策を担当する

 国や県、美ら島財団の担当者とのワークが始まりました。

 ワークでは、まず各施策担当者から現在の取組などについての講義がありました。

 その後、学生は6つのグループとなり、

 課題として示された

 ①見せる復興、②公園の運営、③首里城復興という

 3つのテーマについての話し合いがスタートしました。

 

 3日目の11月6日は、

 沖縄観光コンベンションビューロー 下地 芳郎 会長からの

 「首里城からみた沖縄の観光」、

 本学国際地域創造学部 越智 正樹 教授と工学部 小野 尋子 教授からは、

 それぞれが異なる分野から取り組んだ

 「首里城周辺のまちづくり」についての講義がありました。

 後半の施策担当者とのワークでは、

 グループワークによる課題3テーマの話し合いが進められ、

 その日の最後には、各グループからの提案が行われました。

 

 受講学生の皆さんからの提案には、

 彼らの世代に響く伝え方や、

 身近に感じてもらうための手法に気付かされる内容もあり、

 とても興味深く感じました。

 

 また、学生に交じり聴講した講義のなかで、

 下地会長がおっしゃっていた

 「海によって隔てられるのではなく、海で繋がっている」というお言葉には、

 視座を変えることで活路が見出せることを再認識させられましたし、

 越智先生がおっしゃっていた「継続すること」の重要性には、

 関係者の情熱や特定の研究者の頑張りに過度に依存しない仕組みを、

 ネットワークの活動に導入することの必要性を痛感させられました。

 

 

さて、前回担当した第34号はテンションが高すぎたとの自戒もあり、

熱量は同じだけ込めつつも、少し落ち着いてお伝えしたつもりの今号ですが、

何かひと項目でも、皆さまのお心に届く内容はございましたでしょうか。

 

シンポジウムの準備に勤しんでいたひと月前頃から、

職場の駐車場から執務室へと向かう歩道に設置された車止めの根元に、

10センチにも満たない鶏頭が1本、凛然と佇んでいます。

秋の季語に用いられる、

この小さくも真っ直ぐに天を目指すかの如き中紅色の茎は、

厳しい環境で根を張り、

気骨のある浄げな美しさで、

朝の澄んだ空気の最後の仕上げのように、

仕事に向かう私たちの背を押しているように感じます。

 

皆さまの身近には、どのような「秋」が訪れていますか?

それがこの小さな鶏頭のように、

日々に彩りや励みを与えるものであればと願います。

 

次号も様々なトピックを皆さまと共有できることを楽しみにしております。

 

 

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