学術ネットワーク Academic Network for Shurijo Reconstruction and Renaissance 琉球大学は、学術的な立場から首里城の再興に貢献します。

写真:河野哲舟

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プロジェクト02 非破壊的な理化学分析による首里城瓦の製作技術の変遷の解明

平成に復元された首里城。その象徴の一つでもあった瓦についての研究です。

琉球列島の瓦研究では、瓦当文様・形態・記銘などの研究が先行する一方で、その素材や技法に関わる理化学的なデータは少なく、瓦の外見的要素(文様・形態・色調・使用/製作痕)以外の情報は殆ど蓄積されていません。そのため、前回の首里城復元においても、外見的要素を中心に復元し、製作技法や性質・機能までは再現していませんでした(その時代の最高の技術で製作するという伝統は再現されています)。

本研究では、琉球大学旧首里キャンパス時代に収集され、大学博物館(風樹館)に保管されている14~18世紀の首里城古瓦と昨年の火災で焼け残った瓦(破損瓦)を用いて、非破壊的な理化学分析によって首里城瓦の性質・機能・製造技術の歴史的変遷を明らかにします。破損瓦は、沖縄県の「首里城破損瓦等利活用アイデア募集」に採択され、沖縄県より入手したものを利用します。

本研究は、長年に渡り沖縄の瓦製造について研究してきた沖縄県工業試験センターと琉球大学の共同研究として実施します。非破壊的な理化学分析の一つとして、同センター所有の最新の産業用CTスキャナーによって、瓦の断面や内部構造も解析します。

以上のことより、未だ解明されていない琉球列島の瓦の伝来経路やその製造技術・利用文化成立等の考古学的研究に新たな視点を提供します。また、新しく復元される瓦と古瓦との歴史的な技術のつながりも示せると考えています。

本研究の成果は、大学博物館(風樹館)の展示にも活用し、首里城復元への理解を深めることに活用する計画です。

(令和2年8月4日)

首里城の焼け残った破損瓦

産業用CTスキャナーでの古瓦の撮影シーン

飛沫拡散防止で息を止めての第1回打ち合わせの集合写真

 左から、佐々木、花城、市場(工業技術センター所長)、赤嶺、平良直秀、昆、平良渉。

琉球大学 × 沖縄県工業技術センター 共同研究チーム

琉球大学

 博物館(風樹館) 佐々木健志 助教

 研究基盤センター 平良 渉 ポスドク研究員

 研究企画室    昆 健志 上席URA/副室長

          青山洋昭 主任URA

工業技術センター

 環境・資源班   平良直秀 班長

          花城可英 主任研究員

 機械・金属班   赤嶺欣哉 班長

          棚原 靖 主任研究員

 

 

 

首里城再興 学術ネットワーク 琉球大学 首里城ネットワーク担当 お問い合わせ先(メール)shuri_net@acs.u-ryukyu.ac.jp