学術ネットワーク Academic Network for Shurijo Reconstruction and Renaissance 琉球大学は、学術的な立場から首里城の再興に貢献します。

写真:河野哲舟

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No. 30 首里城関連トピックのご案内(2021年5月28日)

━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.030 ━2021.5.28━━

首里城学術ネットワーク メールマガジン

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*このメールは、首里城再興学術ネットワークのイベントに参加された方、

 沖縄県振興審議会委員等情報交換会ご案内メンバー、

 およびメール配信を希望された方などにお届けしております。

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こんにちは! 首里城再興学術ネットワークのメルマガ担当です。

 

5月5日に梅雨入りした沖縄県では

梅雨夕焼が望める日が続いていますが、

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

先週5月22日(土)、

本学にて「第6回 琉大未来共創フォーラム 琉大SDGsシンポジウム2021」

が開催されました。

登壇いただいた田瀬和夫氏による基調講演は

小難しさを全く感じさせず、

落ち着きのある爽やかな美声に惹きこまれ、

私のようなSDGs初心者にとって

「SDGsについてもっと詳しく知りたい!」と

好奇心をかき立てられる内容でした。

 

首里城の復興は、SDGsの掲げる17のゴール・169のターゲットの

11.4「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。」

にバッチリ当てはまると感じました。

関連しそうな他のターゲットにも個人的にタグ付けしました!

 

さて、前置きが長くなりましたが、

メールマガジン第30号でも首里城関連の話題をお届けします。

 

 

【1 トゥントゥンテン、文化を広げ心に寄り添う沖縄の楽器!】

 

琉球王国時代から冊封を歓待する際に演奏されていたと言われている三線は、

沖縄を連想させる楽器ではないでしょうか。

昨今の社会情勢の中で、

いわゆる芸能、芸術に癒されることが少なくないと思います。

ここでは主に琉球王国時代から使用されてきた三線に着目し、

サラッと読めるコンテンツを紹介いたします!

 

■ 琉球・沖縄の三線 ―「ウトゥイムチ(おもてなし)」の体現の器 ―

(思いを馳せ、そして楽しむ NPO法人文化遺産の世界ウェブサイト)

https://www.isan-no-sekai.jp/report/1188

三線を持って海外に移民した人々が

移民先で故郷に思いを馳せながら、

トゥントゥンテンと弦を弾くときの心境を想像すると、

感慨深いものがあります。

本記事では他国へ楽器が渡ることを「文化の伝搬」と表現しています。

この表現を見て、数年前に訪れた国外の

県人会で三線を伴奏に民謡を聴いたとき、

故郷を懐かしむ気持ちになったことを思い出しました。

たとえ実際に演奏することはないとしても、

文化自体が私たちのアイデンティティであり、

心に根付いていることを実感した瞬間でした。

↑リンク先↑に掲載されている「進貢船の図」の全体図からは、

10隻以上の船が目視でき、圧巻です。

演奏者を乗せた船の拡大図も掲載されています。

 

■ 楽器の紹介

(一般社団法人 伝統組踊保存会ウェブサイト)

琉球王国時代から使用されていた三線、箏、太鼓、笛、胡弓について簡潔に記載されています。

http://kumiodori.jp/gakki/index.cgi

 

■ 三線の伝統的な七つの型

(おきなわ物語 沖縄の旅をもっと楽しく!(沖縄観光情報ウェブサイト))

https://www.okinawastory.jp/contents/momoto_sanshin/seven_types/

ひとくちに三線と言っても、

その型は様々。

型だけでなく、

胴(チーガ)に使われる素材には本皮や人口皮があり、

その張り方もひとつではありません。

棹や胴部に使用される木材にも種類があります。

首里城再興学術ネットワークの一員になってから

よく耳にするチャーギ(イヌマキ)もその一つ。

なかでも良質な黒木(くるち)で作られた棹はその貴重さから、

稽古部屋に棹だけの状態で大切に保管している師範もいるほどです。

使用する木材や型の違いによって音色に違いが生じ、

奏者にもそれぞれ好みがあることは、

とても面白いことだと感じます。

 

■ 沖縄芸能のダイナミズム受講申し込み可能です!(沖縄県立芸術大学)

令和3年度 文化講座「沖縄芸術のダイナミズム」(沖縄県立芸術大学附属研究所WEBサイト)

http://www.ken.okigei.ac.jp/lectures/pg397.html

講座のプログラムには組まれていませんが、

紹介されている書籍に三線についての章が設けられています。

三線には演奏するための楽器としての価値だけでなく、

人から人へ継承された形見として、

そしてその貴重さから所有すること自体に

価値を見出す場合があることを知りました。

 

今年73歳になる三線のお師匠さんとのお稽古で

合奏の合間に歌詞の意味を尋ねたり世間話をしたりするのですが、

お師匠さんの話す方言の意味がわからないことが少なくありません。

「それは何という意味ですか?」と聞き返すと、

標準語で説明することが億劫そうな表情を浮かべながら、

言葉を選んで教えてくださいます。

「近い将来、沖縄の方言を話すことができる人はいなくなってしまう」

という言葉を少し物憂げな様子で話すお師匠さんを見たとき、

三線をとおしてお師匠さんのウチナーグチを浴び民謡や古典を唄い、

古くから親しまれている文化に触れることも、

「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。」に繋がる

小さな一歩だと感じています。

 

 

【2 琉球大 カストロ教授の研究取組が日経新聞などで紹介されました!】———————————

 

すでにご覧になった方も多いかと思いますが、

ゴールデンウィーク前後に日本経済新聞や琉球新報などで、

カストロ・ホワン・ホセ教授(工学部)の

県産木材(ウラジロガシ・イヌマキ)強度試験に関する記事が掲載されました。

 

■沖縄産木材で「伝統守る」 首里城復元で琉球大教授(日本経済新聞WEBサイト)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE28E2P0Y1A420C2000000/

 

■首里城の復元「伝統を守る」/琉大工学部・カストロ教授 木材強度証明へ試験

 (琉球新報)

 学内限定となりますが、↓の附属図書館WEBサイトから、

 琉球新報を選択し、記事タイトルを検索することで、

 記事を読むことができます。

https://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/page-471/#news

 

その他、中国地方の新聞「中国新聞」の別刷り「セレクト」でも紹介されています。

 

いずれの記事も、共同通信社が配信したものとなります。

共同通信社那覇支局の記者さんが、カストロ教授を取材した際は、

本テーマに関するカストロ教授の研究プロジェクトが、

令和2年度首里城再興研究プロジェクト(※)で支援しておりました関わりもあり、

私どもネットワークメンバーも同席させていただきました。

 

掲載された各紙の紙面を眺め、

研究という地道な営みの積み重ねと、

地域や社会に対する貢献を希求する先生の想いを丁寧に聞き取り、

簡潔ながらも単なる情報の羅列ではない記事に仕立てていただいたことと、

私どもネットワークの広報活動だけでは声を届けることができない、

広い範囲への情報発信ができたことに感謝をしつつ、

記事の切り抜きを作りました。

 

ネットワークでは、

これからも首里城に関する様々な研究プロジェクトを支援し、

首里城復元という建物の復元にとどまらない学術の貢献について、

皆さまにわかりやすい形でお伝えしていきたいと考えております。

 

※首里城再興研究プロジェクト(ネットワークWEBサイト)

https://res.skr.u-ryukyu.ac.jp/shurijo_project.html

 カストロ先生を含め4つのプロジェクトの研究の概要を掲載しています。

 

 

このトピックのまとめ作業を行っていた際、

5月25日に開催された国の首里城復元に向けた委員会のひとつ、

令和3年度首里城復元に向けた技術検討委員会

「第1回木材・瓦類ワーキンググループ会議」において、

正殿の梁に県産のオキナワウラジロガシを使用することを決めた、という報道がありました。

次号では、同会議の資料などをご紹介しつつ、

関連する情報を共有したいと考えています。

 

□首里城正殿の梁に県産のオキナワウラジロガシを使用(沖縄テレビ放送)

https://www.otv.co.jp/newstxt/index.cgi?code=00002640

□首里城復元へ技術検討委員会 木材・瓦類について協議(琉球朝日放送)

https://www.qab.co.jp/news/20210525137624.html

 

 

メルマガ担当を2人体制にした第30号は、

前半を新メンバー、後半を既存メンバーが担当しました。

それぞれが自分の感性で持ち寄った首里城トピックで構成したため、

予想以上のボリュームとなってしまったのですが、

お楽しみいただけましたでしょうか。

 

緊急事態宣言の対象地域として沖縄県が追加され、

6月20日までの期間、

県民には不要不急の外出の自粛が求められています。

 

職場でも他部署へ足を運んでの打合せなどを控えていることもあり、

私のスマートウォッチは、

日に何度も「座りすぎアラーム」を発してきます。

この運動不足な状態を改善するため、

職場で取り組める手軽な運動はないかとネット検索をすると、

琉球大学病院リハビリテーション部の次の動画を発見しました!

職場だと人目もあって難しいなと思う動きもあるのですが、

「てぃんさぐの花」をBGMに

チョンダラー(※1)が教えてくれるロコモ予防(※2)体操、とても心が和みます。

ちなみに私は3分20秒頃からの

「つま先にタオルを引っ掛け、ふくらはぎを伸ばす」運動がお気に入りです。

 

□琉球大学病院 整形外科 ロコモ予防体操(約10分30秒の動画です)

(琉球大学病院リハビリテーション部YouTubeチャンネル)

https://www.youtube.com/watch?v=SvyNQtYp4AM

 

※1 エイサーを盛り上げる道化役

   チョンダラーのディープなあれこれを知りたい方には、

   エイサー文化の保存と継承に取り組む「エイサー会館」さんの

   [エイサー大学2020 第4回 チョンダラーの足跡をたどる]に掲載された、

   沖縄県立芸術大学芸術文化研究所 久万田 晋 所長の次の資料がおススメです。

□エイサー大学2020 第4回「チョンダラーの足跡をたどる」

 (エイサー会館ホームページ)

リンク先の下の方、青いフォルダマークをクリックするとPDF版資料が表示されます。

https://eisa-museum.jp/2021/01/22/%e3%82%a8%e3%82%a4%e3%82%b5%e3%83%bc%e5%a4%a7%e5%ad%a62020-%e7%ac%ac3%e5%9b%9e-%e3%82%a8%e3%82%a4%e3%82%b5%e3%83%bc%e3%81%ae%e5%88%86%e9%a1%9e%e3%81%a8%e5%9c%b0%e5%9f%9f%e3%81%ae%e7%89%b9%e5%be%b4/

 

※2 ロコモティブシンドローム

  「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態のこと

  (日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイトより)

https://locomo-joa.jp/

 

結びまで長くなってしまいましたが、

私どもも基本的な感染予防対策を徹底し、

次号も元気にメルマガをお伝えできるよう努めますので、

引き続き、お付き合い願います。

 

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