琉球大学 研究推進機構 戦略的研究プロジェクトセンター
とんがり研究:再生可能エネルギー

千住智信 教授 せんじゅ とものぶ

工学部 副学部長

工学科 電気システム工学コース

総合情報処理センター長(併任)

持続可能社会の実現に向けた取り組み ~再生可能エネルギーの活用〜

現在、わが国では太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー(以下「再エネ」と略記する)を活用した分散型電源の導入が積極的に進められています。2011年の東日本大震災以降、多くの国民が脱原発を望むようになったことや、2016年11月4日に発効したパリ協定によって温室効果ガス削減の動きが世界的に高まっています。

これまでの我々の研究では再エネ電源の大量導入に付随する様々な問題を解決すべく、発電システムの構成や制御、実機を用いた検証実験、電力系統構成の最適化、人工知能による制御など、多角的に研究を行ってきました。

現在は沖縄の小規模離島における再エネ電源100%に関するプロジェクト、沖縄ハワイクリーンエネルギー協力推進事業等に協力しています。また、再生可能エネルギーに関する人材育成にも関わっており、卓越大学院(パワー・エネルギー・プロフェッショナル育成プログラム)、JICA(ABEイニシアティブプログラム、PEACEプロジェクト)ならびに理工学研究科で採択されたスマートシティ人材養成プログラム等で留学生教育を担っています。

このプロジェクトで目指すこと

再エネ電源 100%を達成するためには発電電力制御を中心として、消費電力制御やエネルギーの効率的利用が重要となります。そのため、今後はスマートハウスやスマートビルによるローカルエリアでのエネルギー効率化に加え、街全体の効率化を図るスマートシティについての研究を推進します。電気エネルギーの効率利用のみならず、冷熱や水の循環などを総合的に考慮することで更なる発展を目指します。

また、スマートシティの技術は無電化地域への適用も可能であるため、再エネ電源をベースとした電力インフラを導入することで、食料供給や水の確保といったエネルギー以外の様々な社会的問題解決も見込まれます。

写真:ハイブリッド発電システムと電気自動車.風向を選ばず発電可能な小型垂直軸風車と太陽電池のハイブリッド発電により,クリーンで安定的な発電システムの研究を行っている.電気自動車を充電することも可能である.

主な論文

Lotfy ME, Senjyu T, Farahat MAF, Abdel-Gawad AF, Lei L, Datta M (2018) Hybrid Genetic Algorithm Fuzzy-Based Control Schemes for Small Power System with High-Penetration Wind Farms. Applied Sciences, 8: no. 373.

Howlader HOR, Matayoshi H, Noorzad AS, Muarapaz CC, Senjyu T (2018)  Smart house-based optimal operation of thermal unit commitment for a smart grid considering transmission constraints. International Journal of Sustainable Energy, 37: 438–454.

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