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プロジェクト > プロジェクト 04
首里のまちのある路地
プロジェクトの概要
プロジェクト03と04は、「複層的な首里歴史まちづくり」という共通テーマのもと、工学(都市計画)が専門の小野尋子准教授と、社会学(観光地域デザイン)が専門の越智正樹教授が特定非営利活動法人首里まちづくり研究会(すいまち研)の協力を得ながら研究を行います。
本研究は、首里城を中心とした首里のまちの再興に向けて、その歴史資源の活用のあり方を検討することを目的としています。具体的には、地域の記憶に残る私的な歴史を住民調査に基づいて明らかにし、それと公的な歴史とを合わせた新たな「地図」ツールを作成して、そのモニター調査を通じて人々がどのようなものを「歴史資源」として志向しているかを分析します。
「歴史資源」は、社会学的には「書かれた歴史」と「生きている歴史(集合的記憶:人々の生活の中で形を変えながら記憶として共有されていく歴史)」の2つの側面から捉えることができます。本研究では「書かれた歴史(広く知られる首里史跡)」と「生きている歴史(住民の記憶と結びついた場所)」の両方をデジタルマップ化し、モニターツアーで評価することで歴史の資源化についての考察を行います。
研究の成果は、首里まちづくりの関係者によるブラッシュアップを経て、住民の意向と記憶も盛り込んだ歴史観光素材となり、首里城ならびに周辺地域の周遊観光の推進に資することによって、「首里城復興基本方針」に寄与することが期待されます。
越智教授は、「首里に住む人たちの記憶の中にある歴史を発掘し、様々な人たちの興味を呼び覚ましながら残していくことが大切です。そのことが、歴史資源を豊かにし、複層的な首里歴史まちづくりに繋がると期待しています。」と抱負を語っています。
(令和2年10月1日)
越智 正樹(おち まさき)
琉球大学国際地域創造学部観光地域デザインプログラム 教授
島嶼地域科学研究所 併任教員
大阪府生まれ。京都大学大学院農学研究科博士後期課程を修了後、現職。専門は観光社会学、地域社会学、農村社会学。近年、グリーンツーリズムやまち歩き観光、DMO等の社会的価値や、離島地域社会の活性化などを研究対象としている。