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「ウラジロガシとイヌマキ木材の強度試験を始めます」
“首里城復元のための関係閣僚会議”では、県産木材のウラジロガシやイヌマキを首里城正殿にできるだけ使用していきたいとの方針が示されました。これらの県産木材は現在では貴重なもので調達は容易ではありませんが、首里城が沖縄の重要な文化遺産であると同時に、その再建が「地産地消の活動」に繋がっていくことも極めて重要であると考えられます。
そこで、これに先駆けて工学部建築学コースのカストロ教授(琉球大学島嶼防災研究センター長)は、先日、国頭村森林組合において国頭地区で伐採されたオキナワウラジロガシ原木4本を実験用に入手しました。
今後、それら木材を乾燥させて製材した後、実際の復元工事に使用する際に必要となる「実大の材料強度実験(曲げ試験及び圧縮試験)」をカストロ教授は工学部内の実験室において行う予定です。同様にイヌマキ材についても計画中です。
これらの試みは、県外の国産ヒノキ材中心の再建を目指すだけではなく、一部でも県産木材を使用していくことに貢献できると考えられます。さらには、これまで木材強度の試験は県外の大学等に依頼されてきましたが、地元の木材を地元で試験して利用することにより、「地産地消の活動」に根差した再建につながると考えられます。
カストロ教授は「沖縄県民の誇りである首里城再建の願いに寄り添いながら、是非とも本研究プロジェクトを推進していきたい」と意気込みを語っています。
(令和2年4月20日)
CASTRO Juan Jose(カストロ ホワン ホセ)
琉球大学工学部工学科建築学コース 教授。
島嶼防災研究センター長(併任)
アルゼンチン共和国生まれ。在日33年。筑波大学大学院工学研究科博士課程を修了後、民間建設会社技術研究所及び大阪大学国際教育交流センターを経て現職。専門は建築構造、耐震・耐風工学。近年、沖縄県における木造伝統構法(古民家)の構造性能や維持管理にも取り組む。