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機構長からのあいさつ
研究推進機構の新たな展開に向けて

木暮 一啓 こぐれ かずひろ

研究推進機構長

理事・副学長

(企画・研究 担当)

大学とは本来周囲の社会情勢に左右されることなく真理を追究する場であると同時に社会の状況を客観的、的確に分析し、次の時代への指針を示していく役割を担っています。しかしながら、今の日本の国立大学はそうした本来の役割をなかなか果たせない難しい状況にいます。

大きな要因として挙げられるのは、その財政基盤となってきた運営費交付金が減り続けていることでしょう。しかし、そうした状況下でも我々大学人は社会からの期待、要請に応えつつ、研究、教育活動を維持、あるいは今まで以上に発展させていかなければなりません。そのためには、発想の転換とそれに基づく新たな方向性の明確化、そしてそれを着実に実行していくことが求められています。私なりの考えは以下の通りです。

まず、国立大学は、国からの運営費交付金に一義的に依存する体質から、外部資金を積極的に取り入れて財源を確保していくスタイルに移行していかなければなりません。日本は鉱物あるいはエネルギー資源に乏しく、その国力を維持するには、教育・研究を通じた人的資源の充実が必須です。しかし、ただ待っているだけでは大学には誰も手を差し伸べてくれない時代になっています。

第二に、研究費の流れがより大型のプロジェクトを志向しつつあるとともに、個々の大学の“個性”が求められる時代になっています。大学は個々の研究者の発想に基づく個別の研究を尊重する一方で、その大学の魅力を最大限に引き出すような大きな課題を取り上げ、その成果をアピールしていく必要があります。

第三に、大学を社会から独立した組織とせず、積極的に地方自治体やそれらの研究組織、産業界などと協働しながら研究を展開する必要があります。幸い沖縄県はそうした動きに積極的です。産業界との連携を含めて、沖縄発の個性的な研究を地域として推進していく方向性を示しています。

琉球大学研究推進機構は琉球大学の基盤的研究の一層の推進、ならびに沖縄の地域特性を反映した熱帯・亜熱帯、海洋・島嶼、文化多様性・生物多様性、健康・長寿・国際感染症などに関わる特色ある研究(=とんがり研究)の特段の強化を図ることを目的として、当時の大城学長と西田理事(現学長)らの構想に基づき、2015年1月1日に設立されました。私は、この機構設立の意義を上記のような現状認識のもとに理解しています。

まだ着任して間がなく、本機構を理解しようとしている段階ではありますが、今後の方向性として大きく二点を考えています。第一に、4年余り前にできたこの機構の存在と意義を学内のより多くの構成員の共通理解とし、活用の幅を飛躍的に広げていくことです。それが大学への外部からの研究費のさらなる獲得に結びつくだけでなく、新たな研究の展開に通じるに違いありません。本機構にはそれだけの実績とポテンシャルがあります。

第二に、学外、とりわけ沖縄県の研究関連組織との連携を強め、沖縄の科学振興の先導的な役割を果たすことです。それによって大学と社会とを結びつけるとともに、沖縄の地域特性を踏まえた多面的な研究活動が可能になるはずです。

繰り返しになりますが、大学が社会の中で果たすべき本質的な役割に変化はありえません。しかし、それは大学という組織が変わらないままでもよい、ということを意味するものではありません。視点を変えると、本機構は琉球大学が近未来に果たしていくべき学術的な役割を見定め、先導していくための組織とも言えます。その意義を学内外の方々に広くご理解頂くとともに、要望、希望、コメントなどを遠慮なくお知らせ頂ければ幸いです。

 

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