開催報告
第3回人文・社会科学系研究推進フォーラム
「地域と共に新しい“ジンブン”力を創造する人社系研究の展開」の開催報告
2017.4.27
(ポスターPDFのダウンロード)
西田 睦(にしだ むつみ)
琉球大学理事・副学長(研究・企画戦略担当)、研究推進機構長、研究企画室(URA室)長
農学博士(京都大学)。専門は海洋生物学、分子系統進化学。東京大学大気海洋研究所長を経て2013年より現職。DNA分析を通じて水圏生物とくに魚類の多様性進化について研究してきた。編著書に『海洋の生命史―生命は海でどう進化したか』(東海大学出版会、2009)他、著訳書多数。
貴志 俊彦(きし としひこ)
京都大学東南アジア地域研究研究所 副所長/教授、研究支援室副室長
日中文化交流史、東アジア情報・通信・メディア史研究。島根県立大学教授、神奈川大学教授、京都大学地域研究統合情報センター教授などを経て、2017年1月より現職。日本学術会議連携会員などを兼任。著書に『日中間海底ケーブルの戦後史』(吉川弘文館、2015)、『東アジア流行歌アワー』(岩波書店、2013)、『京都大学人文科学研究所所蔵 華北交通写真資料集成』(編著、国書刊行会、2016)など。
稲場 圭信(いなば けいしん)
大阪大学大学院人間科学研究科 教授
東京大学(文)卒、ロンドン大学博士(宗教社会学)。ロンドン大学、フランス社会科学高等研究院、國學院大學、神戸大学を経て、2010年大阪大学准教授となり、2016年より現職。著書に『利他主義と宗教』(弘文堂、2011)、『思いやり格差が日本をダメにする』(NHK出版、2008)、Ruben Habito & Keishin Inaba eds, 『The Practice of Altruism』(Cambridge Scholars Press、2006)など。
志田 泰盛(しだ たいせい)
筑波大学人文社会系、准教授
インド古典学。いわゆる「インド哲学」分野を専攻し、バラモン教の宗教哲学文献の原典校訂を手がける。’15年に筑波大学に着任以来、ハンブルク大学アジア・アフリカ研究所との連携プロジェクト「海外教育研究ユニット招致プログラム」のプログラム・マネジャーとして国際共同研究や本学学生の海外派遣を企画運営している。
講演者プロフィール
日 時:2017年3月3日(金)13:30–18:00
(13時会場、終了後、情報交換会)
場 所:国立大学法人 琉球大学 研究者交流施設・50周年記念館
主 催:琉球大学研究推進機構研究企画室
共 催:京都大学学術研究支援室
筑波大学URA研究戦略推進室/ICR
大阪大学経営企画オフィスURAプロジェクト
早稲田大学研究戦略センター
本フォーラムは、人文・社会科学系の研究にかかわる研究者とURA、事務系職員、行政機関・資金配分機関の関係者等がともに議論し、考え、行動することを通じて、互いにエンカレッジしながら、より良い研究推進のあり方を検討する場です。
本フォーラム開催の背景には、大学における研究推進が、とかく”理系”の論理で進められがちだという声がよく聞かれること、また、日本のURAが組織の枠をこえてつながり「人社系研究に対して自分たちは何ができるのか」と活発に議論する動きが生まれているといったことがあります。
第3回フォーラムのテーマ「地域と共に新しい“ジンブン” 力を創造する人社系研究の展開」の“ジンブン”とは、沖縄の言葉で「生きる知恵」を意味します。我々は日々多くの社会的課題に直面しますが、これら課題は一朝一夕には解決しません。そこでは、科学・技術の知識だけではない、人間の知恵の力(“ジンブン” 力)が求められます。
今回のフォーラムでは、地域社会が抱える社会課題の解決や、新たな価値創造と実践に向き合っている研究を紹介しつつ、学術界それ自体が内包する課題もふくめて、人文・社会科学系研究の新たな可能性について議論しました。
参加者は、URA 34名、研究者 24名、事務系や図書館・博物館系職員 23名に加えて、行政機関・資金配分機関からの参加もあり、計84名が組織の枠を超えて集まりました。所属も19国立大学・2私立大学・人間文化研究機構内の2機関等、多岐にわたりました。
今回のフォーラムの結果、地域・社会との連携によって展開する人文・社会科学系研究の可能性について、様々な先進事例の共有や課題が改めて浮き彫りになりました。組織の枠や地域を超えてこのような議論の場を継続し、次のアクションに繋げていくことが、日本の人文・社会科学系研究を推進することの一つになると考え、今後も4回、5回とフォーラムを重ねていく予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
以下では、西田 睦 琉球大学理事・副学長(研究・企画戦略担当)による基調講演、歴史学・社会宗教学・インド古典学の3分野の研究者からの話題提供に加え、2セッションに分かれたワークショップによって議論された意見などを通じて、当日の内容をご報告します(より詳しい内容は各リンク先でご覧ください)。
基調講演 「地域に貢献する人社系学問の可能性」
西田 睦(琉球大学理事・副学長)
事例紹介「東アジア史研究の潮流と地域へのかかわり」
貴志 俊彦 教授(京都大学 東南アジア地域研究研究所)
事例紹介「あらたな連携を生みだす社会科学の力:災害救援マップの取り組みを事例に」
稲場 圭信 教授(大阪大学大学院人間科学研究科)
事例紹介「古典学分野の国際連携と技術イノベーション」
志田 泰盛 准教授(筑波大学人文社会系)
地域・社会の課題に取り組む人社系研究のためのパラレル・ワークショップ
・セッション1「グッドプラクティス事例集作成!:個別プロジェクトのプロセスを共有し、掘り下げよう」
「地域・社会の課題に取り組む研究」は、研究領域を横断する視座が求められています。研究者はこの課題に対して、どのような工夫をしているのでしょうか。また、URAをはじめとする研究支援者は、研究者に対してどのような支援を行っているのでしょうか。グループワークでは、「プレプレ・アワード」、「プレ・アワード」、「ポスト・アワード」の3グループに分かれ、それぞれのプロセスにおける各大学のグッドプラクティスを出し合い、地域・社会課題に駆動される研究テーマの「気づき」から体制作り、目標の設定、着地点などプロジェクトの企画・実施のあり方についてディスカッションしました。
写真:セッションの様子
・セッション2「キックオフ・ミーティング!:人社系研究の活かし方・伝え方・研究力の測り方を考えよう」
第3回人文・社会科学系研究推進フォーラム
テーマ「地域と共に新しい“ジンブン”力を創造する人社系研究の展開」
日時 平成29年3月3日(金)13:30-18:00
場所 国立大学法人 琉球大学 研究者交流施設・50周年記念館
主催 琉球大学研究推進機構研究企画室
共催 京都大学学術研究支援室
筑波大学URA研究戦略推進室
大阪大学経営企画オフィスURAプロジェクト
早稲田大学研究戦略センター
フォーラム参加費 無料
プログラム
13:00 受付開始(開場)
13:30–13:35 開会の挨拶
13:35–14:00 基調講演
西田 睦(琉球大学理事・副学長)
「地域に貢献する人社系学問の可能性」
14:00–15:00 事例紹介
貴志 俊彦 教授(京都大学 東南アジア地域研究研究所)
「東アジア史研究の潮流と地域へのかかわり」
稲場 圭信 教授(大阪大学大学院人間科学研究科)
「あらたな連携を生みだす社会科学の力:災害救援マップの取り組みを事例に」
志田 泰盛 准教授(筑波大学人文社会系)
「古典学分野の国際連携と技術イノベーション」
15:00–15:15 休憩
15:15–17:15 地域・社会の課題に取り組む人社系研究のための
パラレル・ワークショップ
【セッション1】
「グッドプラクティス事例集作成!:個別プロジェクトのプロセスを
共有し、掘り下げよう」
【セッション2】
「キックオフ・ミーティング!:人社系研究の活かし方・伝え方・
研究力の測り方を考えよう」
17:15-17:30 休憩
17:30-18:00 振り返り・閉会の挨拶
18:30〜 情報交換会
(全体企画)
高橋 そよ(琉球大学研究推進機構研究企画室)
稲石 奈津子・神谷 俊郎・佐々木 結・若松 文貴・森下 明子・天野 絵里子・大澤 由実・鮎川 慧(京都大学学術研究支援室)
森本 行人(筑波大学URA研究戦略推進室)
川人 よし恵(大阪大学経営企画オフィスURAプロジェクト)
丸山 浩平(早稲田大学研究戦略センター)
(パラレルセッション企画・運営)
セッション1「グッドプラクティス事例集作成!:個別プロジェクトのプロセスを共有し、掘り下げよう」
全体ファシリテーター:高橋 そよ(琉球大学研究推進機構研究企画室)
グループファシリテート:森本 行人(筑波大学URA研究戦略推進室)、若松 文貴(京都大学学術研究支援室)、丸山 浩平(早稲田大学研究戦略センター)
セッション2「キックオフ・ミーティング!:人社系研究の活かし方・伝え方・研究力の測り方を考えよう」
全体ファシリテーター:神谷 俊郎(京都大学学術研究支援室)
話題提供:稲石 奈津子(京都大学学術研究支援室)、川人 よし恵(大阪大学経営企画オフィスURAプロジェクト)、後藤 真(国立歴史民俗博物館)、押海 圭一(総合地球環境学研究所)、久保 琢也(広島大学学術室 研究企画室)、若松 永憲(熊本大学大学院先導機構URA推進室)
<人文・社会科学系研究推進フォーラムとは>
人文・社会科学系の研究にかかわる研究者とURA(大学・研究機関におけるリサーチ・アドミニストレーター)、事務系職員、行政機関・資金配分機関の関係者等がともに議論し、考え、行動することで、互いにエンカレッジしながら、より良い研究推進のあり方を模索するためのフォーラムです。日本のURAが組織の枠をこえてつながり「人社系研究に対して自分たちは何ができるのか」と活発に議論するなか、こうした場が生まれました。
関連リンク
※大阪大学経営企画オフィス(URA部門)へリンクします。
※ 筑波大学 人文社会国際比較研究機構へリンクします。
(問い合わせ先)
琉球大学研究推進機構研究企画室 担当URA 高橋
電話 098-895-8486(直通)
メール ura (#) to.jim.u-ryukyu.ac.jp
(#) を半角 @ に変換してください。
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