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━━━━━━━━━━━━━━━━ vol.032 ━2021.6.25━━
首里城学術ネットワーク メールマガジン
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*このメールは、首里城再興学術ネットワークのイベントに参加された方、
沖縄県振興審議会委員等情報交換会ご案内メンバー、
およびメール配信を希望された方などにお届けしております。
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こんにちは! 首里城再興学術ネットワークのメルマガ担当です。
梅雨空を感じることの少ない天気が続いていましたが、
今週の沖縄は梅雨らしい天気となりました。
事務室で仕事をしていると、
換気のため開けている小窓から、
まだ蝉時雨とまでは言えずとも
蝉の鳴き声が聞こえてきます。
「あのセミの名前はなんだろう」
鳴いているセミの種類が気になり調べてみたところ
琉球大学博物館(風樹館)のウェブサイトに
数種類の蝉の鳴き声が公開されているページを見つけ、
嬉しくなり聴き比べてしまいました。
公開されているサンプル音声と
聞こえてくる蝉の鳴き声を聴き比べてみると、
ミイミイゼミの仲間のように思います。
セミの鳴き声を聴いて、
一足早い夏の風物詩を感じてみてはいかがでしょう。
(琉球大学博物館「おうちミュージアム 沖縄のセミ」)
http://fujukan.skr.u-ryukyu.ac.jp/ouchi/cicada.html
【1 こんなものまで!食糧残滓からわかる首里城の食文化】
お使いを頼まれ親戚の家に行ってみると、
「夕飯はまだねー、たくさん食べていきなさい」と
久しぶりにかめーかめー(※)攻撃をうけました。
温かい出し汁が体に染みる三枚肉の沖縄そばを頬張っていると、
首里城の食文化はどのようなものだったのだろうと知りたくなりました。
前半部では琉球王国当時の「食」に焦点を当て、
首里城内に生活していた人々が食していたものについて、
サラッと読めるコンテンツを紹介いたします。
(※)かめーかめー:食べなさいの意
■発見!首里城の食といのり
(沖縄県立埋蔵文化財センター発行/独立行政法人 国立文化財機構奈良文化財研究所ウェブサイト)
https://sitereports.nabunken.go.jp/ja/17008
沖縄県立埋蔵文化財センター発行の調査報告書
「発見!首里城の食といのり」には、
発掘調査で出土した食糧残滓に基づいた
当時の食文化についての考察が記載されています。
冊封使が来琉した際の大宴では、
ツバメの巣、フカヒレ、ナマコ、干しアワビといった
中国料理の高級食材も振舞われたそうです(どれも、食したことはありません!)。
王国末期の国王の献立も記載されており、
メニューを見てみると健康的な食生活を送っていたことが窺えます。
沖縄県立埋蔵文化財センターは、
埋蔵文化財に関する調査研究及び保存を行なうとともに、
その活用を図り、教育・学術及び文化の発展に資する目的で設置された施設です。
来年の1月には「首里城京の内跡出土品展」が開催される予定です!
企画展一覧(沖縄県立埋蔵文化センターウェブサイト)
https://www.pref.okinawa.jp/edu/maizo/bunkakesho/chosa/maizo/fukyu/kikaku/index.html
■各国の影響を受け独自に進化した食文化
(沖縄観光コンベンションビューロー 沖縄フィルムオフィスウェブサイト)
https://filmoffice.ocvb.or.jp/about-okinawa/ryukyucuisine_001/
琉球王国時代の食文化が私たちの食している
現代の沖縄料理にどのように継承されているのか、
琉球王国当時の食文化を学ぶことでも、
首里城や琉球王国の歴史を知ることができます。
■日本遺産「琉球王国時代から連綿と続く沖縄の伝統的な『琉球料理』と『泡盛』、そして『芸能』」について
(那覇市役所ウェブサイト)
https://www.city.naha.okinawa.jp/kankou/bunkazai/CBUNKAZAI20190619.html
「うとぅいむち」の精神が
琉球王国時代から連綿と続いていて、
大切な客人を歓迎する時には豪華な料理を振舞うのは
昔も今も変わらないことに気づかされます。
沖縄の伝統的な食文化に関しては、県による
「沖縄の伝統的な食文化普及推進計画(平成29年度〜平成33年度)」
が策定されています。
〇沖縄の伝統的な食文化の保存・普及・継承について(沖縄県庁ウェブサイト)
https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/bunka-sports/bunka/syokubunka.html
ゆとりのある日にはひと手間かけて、伝統的な沖縄料理を召し上がってみてはいかがでしょう。
【2 首里城関連ニューストピックス】
■第1回 彩色・彫刻ワーキンググループ会議が開催されました!
令和元年度 首里城復元に向けた技術検討委員会 第1回彩色・彫刻ワーキンググループ会議(沖縄総合事務局ウェブサイト)
http://www.ogb.go.jp/kaiken/matidukuri/syurijou_hukugen_iinkai/R020323_1
物心ついた頃の首里城は、鮮やかな赤、
そして弁柄色をしていました。
彩色・彫刻ワーキンググループでは、
首里城正殿の復元工程表策定のための
彩色、彫刻に関する技術的な検討が行われています。
個人的には、大龍柱など石彫刻の材料である
ニービヌフニ(細粒砂岩)には、
前回復元時と同じように与那国産のものが使用されると
離島との一体感が出て良いのではと感じました。
復元される首里城がどのような色彩、彫刻で彩られるのか、
注目していきたいです。
下記の短報では、三代目の大龍柱に使用されたと推測される
石材について分析がされています。
三代目の大龍柱は1712年に造られ
1945年まで設置されたとあるため、
今回復元される大龍柱は五代目になるでしょうか。
復元された時代で異なる素材が使われていることに、
当時復興に携わった人たちが、
どのような理由と思いでその素材を使用したのかについて
思いを巡らせました。
〇首里城の大龍柱と伝えられる残欠の石質について(短報)
(沖縄県立博物館・美術館ウェブサイト)
https://okimu.jp/sp/userfiles/files/011002.pdf
〇首里城復元に向けた技術検討委員会 彩色・彫刻について協議始まる(QAB NEWS Headline)
https://www.qab.co.jp/news/20210609138273.html
■復興レポートvol.4がUPされています!(沖縄県公式首里城復興サイト)
https://www.shurijo-fukkou.jp/activity/report/
レポートの4ページには首里城復興基本計画策定の
趣旨について述べられています。
4つ掲げられている策定の趣旨のひとつに、
「それぞれの時代にふさわしい
新たな文化創出など沖縄発展の礎とすること」とあります。
首里城の復元によって蘇る文化、
そして新たに生み出される文化が、
沖縄の振興にどのように寄与していくのか、
楽しみに感じられ、自らも考えていきたいです。
■首里城復興におけるDX推進に向け県とIT企業が連携協定を締結(QAB NEWS Headline)
https://www.qab.co.jp/news/20210602137967.html
連携協定の項目のひとつ、
「暮らしと観光が両立したまちづくり」では、
渋滞等交通課題の解決が企図されています。
個人的に首里城正殿の復元や観光にばかり注目しがちだったのですが、
地域や住民の暮らしを包括して考えていくことが大切だと改めて感じました。
AIやAR技術を駆使した「見せる復興」にも、
期待が高まります。
メールマガジンを新たに担当させていただくことになってから、
早くも3本目のメルマガとなった第32号、いかがでしたでしょうか。
首里城について調べていると、次々に新しいことに興味が惹かれ、
知りたい事がどんどん増えていきます。
今回は、文章過多にならないよう、
欲張りたい気持ちを抑えながら書いてみました。
このメールマガジンが少しでも
読者のみなさまに楽しく読んでいただけるよう、
コンテンツの提供をはじめ、
パッと明るい文体が出せるよう、
徐々に精進して参ります。
引き続き、温かなご愛顧をよろしくお願いいたします!
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