学術ネットワーク Academic Network for Shurijo Reconstruction and Renaissance 琉球大学は、学術的な立場から首里城の再興に貢献します。

写真:河野哲舟

*琉大学術リポジトリの「首里城」検索結果が表示されます

「首里城再興学術ネットワーク(仮称)」の設立について

本ページは、「首里城再興学術ネットワーク(仮称)」の設立について、2020年(令和2年)1月に琉球大学の西田学長から木暮理事・副学長(研究・企画担当)にあった諮問に対する答申(2020年4月23日付け)を紹介するものです。

琉球大学研究企画室において、首里城再興学術ネットワーク構築に向けた道筋を検討した結果を以下に記します(Web用に一部修正しています)。

「首里城再興学術ネットワーク(仮称)」の設立について(答申)

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資料1.首里城正殿などの復元に向けた行程表(首里城復元のための関係閣僚会議)

資料2首里城復興の基本的考え方(沖縄県)

資料3「首里城復興基本方針」に関する有識者懇談会における検討結果報告(沖縄県)

資料4首里城再興緊急学術シンポジウム 開催報告(琉球大学)

資料5.首里城再興緊急学術シンポジウムアンケート調査結果(琉球大学)

資料6首里城焼失現場の視察および意見交換会 実施報告(琉球大学)

資料7.首里城焼失現場の視察および意見交換会アンケート調査結果(琉球大学)

資料8首里城再興学術ネットワーク構築に向けた活動及び検討の経緯

 「首里城再興学術ネットワーク(仮称)」の設立について(答申)

 

2019年10月31日未明に発生した火災により首里城正殿を含む8棟が、また施設に保管されていた貴重な文物も多数焼失し、未曽有の図り知れない損害が生じた。

このことは県民にとって悲痛な出来事であり、県民のみならず国内外からの沖縄の痛みへの共感として多くのメッセージが寄せられた。

首里を発祥の地とする本学においては。その日に学長メッセージを掲載し首里城再建への協力を表明するとともに、学術面からの貢献を目指し、12月22日に「首里城再興緊急学術シンポジウム」を開催し、首里城再興に関する学術ネットワークを構築することが提案された。

これを受け、2020年1月に「首里城再興学術ネットワーク」(仮称)の設立について学長から本職に諮問があったことから、研究企画室において首里城再興学術ネットワーク(準備室)を立ち上げ、ポータルサイトによる学内外の情報発信を行うとともに、3月10日には「首里城再興学術ネットワーク構築に向けた現場視察」を行うなど、学術ネットワーク構築に向けた取組を進めてきたところである。

これらの具体的な取り組みをとおして、首里城再興学術ネットワーク構築に向けた道筋を検討したので、その結果を答申する。

 

2020年4月23日

理事・副学長(研究・企画担当)

木暮 一啓

1. 首里城について

 

1879年(明治12年)、首里城から琉球国王が追放され「沖縄県」となった後、首里城は日本軍の駐屯地、各種の学校などに使われ、1930年代には大規模な修理が行われたが、1945年の沖縄戦で消滅した(→ 国営沖縄記念公園首里城地区ホームページ 歩み)。

戦後、首里城跡地は琉球大学のキャンパスとなったが、日本復帰前の1957年より戦災文化の復元事業が始まり、守礼門、歓会門などの復元が琉球政府によって進められた。

琉球大学の移転後、1984年には沖縄県が首里城復元整備の指針となる「首里城公園基本計画」を策定、1986年(平成4年)には城郭内4haを国営公園とし首里城正殿等を復元することが閣議決定され1992年11月に正殿等を含む主要建物を復元し一部開園した。

また、2000年(平成12年)には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として首里城跡(地下遺構)を含む9つの城跡等が世界遺産登録されている。

これまで主要な建造物の復元を進め計9回の部分開園を経て2019年2月には国営公園内すべてを開園したところであったが、その年の10月31日未明に発生した火災により首里城正殿を含む8棟及びこれらの施設に保管されていた貴重な文物も焼失した。

 

 

2. 首里城火災後の国・県及び周辺の動き

 

(1)国

政府は2019年12月11日、「首里城復元のための関係閣僚会議」(議長:内閣官房長官)において、「首里城復元に向けた基本的な方針」を決定、これを受け内閣府沖縄総合事務局では、首里城復元に向けた技術的な検討を行うことを目的に「首里城復元に向けた技術検討委員会」を設置した。

技術検討委員会(委員長:高良倉吉琉球大学名誉教授)では3回にわたる議論の上、2020年3月17日に「首里城正殿等の復元の工程表策定に向けた技術的検討に関する報告」をとりまとめた。

報告では前回復元時の設計・工程を前提としつつ、スプリンクラー設備、連結送水管設備の城郭内設置、貯水槽の増設などの防火対策を強化すること、材料調達に関しては、国産ヒノキを中心に外国産も調達可能性を考慮すること、中国産漆を使用すること、赤瓦は県内産材料を調達するとともに伝統技術の活用を図るべき等の提言がなされている。

技術検討委員会の報告を受け、政府は2020年3月27日に首里城再建行程表を決定し、首里城正殿について2026年までに復元することを目指すとしている。

また、内閣府沖縄総合事務局においては、首里城復元に係る業務を円滑に実施するため5名を緊急増員し開発建設部に「首里城復元整備推進室」を設置している。

 

(2)沖縄県

沖縄県は2019年11月18日、職員6人を「首里城復興戦略チーム」に任命し、知事公室秘書課内に専任チームを立ち上げ(* 現 特命推進課)、首里城の復旧・復興の行程表等の策定に着手し、12月26日には7つの柱からなる「首里城復興の基本的な考え方」を発表、広く県民の声を取り入れながら、首里城の復元はもとより、首里城に象徴される琉球の歴史・文化の復興に取り組むとしている。

 

①「正殿の早期復元と段階的公開」では、復元過程を段階的公開により、首里城の「過去(歴史)」を知り、「現在」を感じ、新たな「未来」に思いをはせることができる場を目指す。

②「火災の原因究明および防火・施設管理体制の強化」では、再発防止に向けた防火設備の強化など、最新技術を取り入れた復元手法の検討とともに、専門家の意見を取り入れ、安全性の高い施設管理の在り方を確立する。

③「文化財等の復元および収集」では、火災で焼失した文化財の復元及び国内外に散逸した文化財の収集と次世代へ継承する。

④「伝統技術の活用と継承」では、必要な木材や瓦などの資材調達と、伝統文化の活用と継承に向けた取り組みを支援する。

⑤「琉球文化のルネッサンス」として、首里城の焼失で、改めて価値が認識された琉球文化を興し、将来にわたり価値を高め国内外へ発信する。

⑥「世界遺産としての首里城を中心とした歴史的環境の創出」では、遺構の適正保全及び琉球文化を体現できる場としての周辺地域の段階的な整備を検討し、風格ある歴史的環境を創出する。

⑦「歴史の継承と資産としての活用」では、戦禍等で灰じんと帰しながらも、平和と繁栄の象徴として復元されてきた首里城の歴史を子どもたちに語り継ぐとともに、復興を通して人々の思いや努力が結実していく姿を、文化、教育、観光の資産として活用することが掲げられている。

 

知事が示した「基本的な考え方」を具体化するため、2020年1月28日には「首里城復興方針に関する有識者懇談会」(委員長:下地芳郎沖縄観光コンベンションビューロー会長)を立ち上げ、「基本的な考え方」を踏まえた基本方針の骨子案を策定し、3月24日に県への提言を行っている。

骨子案では7つの柱に関する具体的な取り組みを掲げるとともに、基本計画の策定・推進にあたっては、県民意見を踏まえること、国内外の学術ネットワークと連携すること、継続的な県民参加による復興を図ることが示されている(→ 「首里城復興基本方針」に関する有識者懇談会における検討結果報告)。

沖縄県は本骨子案をもとに基本方針を定め、2020年度中に復興基本計画を策定するとしている(→ 首里城復興基本方針 令和2年4月)。

 

(3)社会の動き

沖縄の象徴的存在のひとつであった首里城の火災は、県民にとって悲痛な出来事であり、県民のみならず国内外からの沖縄の痛みへの共感として多くのメッセージが寄せられた。

火災直後から始まった募金は、2020年3月31日現在、那覇市、豊見城市及び沖縄県への募金総額は32億6千万円余りとなっている。

また、企業や団体での募金や募金付き商品の販売による募金活動が続いている他、瓦の再利用、首里城公園再興のためのボランティア活動など首里城再興をめぐる社会参加活動の動きも大きな広がりを見せている。

 

 

3. 琉球大学の取り組み

 

(1)首里城と琉球大学の関わり

琉球大学は沖縄戦5年後の1950年5月、壊滅した首里城跡地に6学部、1・2年次あわせて532人の学生、44人の職員で開学した(→ 漫画「琉大創立物語」Webで読めます)。

開学当時、学内は整備途上で、戦災により破壊された首里城の遺物が散乱していたことから、当時の美術工芸課の山元恵一をはじめとする教員と生徒が拾い集めて研究室に収集された遺物が後の風樹館(琉球大学博物館)に保管されている。

また、復帰20周年事業として行われた首里城正殿等の主要建物の復元にあたっては高良倉吉、西村貞夫、天野輝久が首里城正殿実施設計委員会に参加し、復元に関する学術的な裏付けに大きく貢献している。

琉球大学リポジトリでの検索によると1954年以降の首里城をキーワードとする論文数は215件となっている(2020年4月24日現在)。

 

(2)首里城火災直後の対応

首里を発祥の地とする本学は、火災のあった2019年10月31日に以下の学長メッセージを掲載した。

「沖縄の象徴的存在のひとつであった首里城のこの度の火災は、沖縄県民はもとより、戦火によって壊滅した首里城跡地に開学した琉球大学(現在のキャンパスへ移転後、首里城が復元)にとっても、たいへん残念であり心を痛めております。1日も早く再建されることを希望するとともに、本学としても可能な限りそれに協力させていただきたいと考えております。」

また、琉球大学開学の黎明期に取り組まれた「ミシガンミッション(1951-1968)」で縁の深いミシガン州立大学学長からも共感の想いと協力の申し入れがよせられている。

2020年1月24日には、学生及び教職員から首里城復興の支援金として集まった102万8888円、また本学国際地域創造学部と交流協定を結んでいる東北公益文科大学から託された50万円、合わせて152万8888円を沖縄県の首里城火災復旧・復興支援寄附金に寄附している。

 

(3)首里城再興緊急学術シンポジウムの開催

学長提案による首里城再興緊急学術シンポジウムを2019年12月22日に開催した。

開会の挨拶で西田学長は、「学術面から最大限の貢献をすることが大学のやるべきことであり、学内外の学術ネットワークを構築するその第一歩として緊急シンポジウムを開催した」とシンポジウムの主旨を説明した。

シンポジウムでは西村貞夫氏(琉球大学名誉教授)、當眞嗣一氏(前沖縄考古学会会長)の基調講演とともに4名の演者から文化財と世界遺産、琉球の歴史、観光、防災・防火など様々な視点からの発表があった。

木暮理事・副学長がコーディネーターを務めたパネルディスカッションでは、首里城の再興に関し学術・科学術に求められること、研究者として貢献できること等について多岐にわたる討論が行われ、首里城再興に関する学術ネットワークを構築し継続していくとの提案でシンポジウムを締めくくった。

100名余の参加者のうち琉球大学関係者は47名(うち教員24名)で、アンケート回答者の7割がシンポジウムの内容について「非常に満足」と評価した。

また、自由意見欄では「シンポジウム等で多くの県民・国民が当事者として関われるようにしてもらいたい」、「先の復元に関わった方々の経験、知識、思いを広く市民、次世代に伝える取組が大学には可能と思う」等、学術ネットワーク構築の意義を示唆するコメントも寄せられる等、学術ネットワークの必要性が確認された。

本シンポジウムは、木暮理事・副学長の指示のもと戦略的プロジェクト研究センター、研究企画室、研究推進課、地域連携推進課などの教職員が合同チームを編成し企画・運営したことにより、発案から実施までわずか1か月という短期間での開催を可能にした。

 

(4)ポータルサイト開設

研究企画室において2020年1月14日に「首里城再興学術ネットワーク(準備室)」としてのポータルサイトを開設した。

本サイトでは、マスコミ各社の首里城関連ニュースや関係機関の発表などを一括して取りまとめ発信するとともに、琉大の首里城関連論文の検索結果が閲覧できるように工夫されている他、本学の取り組みが「ネットワークからのお知らせ」として情報発信されている。

本サイトの開設後、2020年4月13日までに取りまとめられた首里城関連ニュースは404件、琉球大学の首里城関連論文は215件、これまでのアクセス数は、全ユーザー数673人(うちリピートユーザー104人)、ページビュー回数2,265回となっている。

ポータルサイト開設により、本学の首里城関連研究が容易に検索可能となった他、首里城関連報道の推移を追うことやネットワーク構築に向けた取組の進捗等の情報発信が積極的に行えるようになり、ネットワーク構築の基盤づくりが進展している。

 

(5)首里城再興学術ネットワーク構築に向けた現場視察

火災後の首里城を視察し、関係者との対話をとおして教員個々が首里城再建について考える契機とすることを目的に2020年3月10日に火災後の首里城内の視察と首里城公園の管理団体である美ら島財団との意見交換を行った。

本学からは西田学長をはじめ40名余の教職員が参加し、美ら島財団からは花城理事長他、財団職員及び内閣府沖縄総合事務局の職員が参加した。

意見交換会では木材、地下水、建築、収蔵庫や文化財保存のあり方、街づくりなど多岐にわたる意見交換が行われ、マスコミ取材を受けた西田学長は、「琉球大学として首里城再興学術ネットワークを構築し、他の大学や多様な関係者との協力のもと首里城再興に貢献していきたい」とコメントした。

参加者へのアンケート調査では、参加者のほとんどが「今回の視察が今後の学術研究に役立つ」と回答し、この視察を契機に首里城をテーマにした研究、教育、ボランティア活動を行いたいとの回答が多くみられた。

自由意見欄では、現場を目の当たりにできた経験や、首里城をテーマとした意見交換を行えたこと、美ら島財団の職員から説明を受けたことを評価する意見が多く、今後も同様の現場視察や情報交換等の実施を希望する意見も多く見られた。

また、学術研究に必要なサポートとしては、予算面及び研究活動マネジメントの支援の希望が多かった。

現場視察は、美ら島財団とのネットワークを有する特命准教授の企画提案とシンポジウムを実施した合同チームの即応力により短期間での開催が可能となった。

また、首里城再興に関する教員の関心を高めたことや既に連携協定を結んでいる美ら島財団との更なる連携強化など、ネットワーク構築に向けた成果を収めることができた。

 

(6)首里城再興研究プロジェクトの実施

首里城の再興に資する研究の推進を目的とする研究プロジェクトの創設が2020年3月23日の研究推進会議で決定された。

学内公募型の同プロジェクトでは、300万円程度の予算で数件の研究プロジェクトの採択を予定している。

 

4. 首里城再興学術ネットワーク形成に向けた基本的な考え方

本学は首里を発祥の地とし首里に深い縁を有していること、首里城をはじめとする沖縄の歴史・文化の研究蓄積があること、7学部8研究科を有する総合大学であり、様々な学術分野から首里城再興に貢献できる可能性があること等から、本学は首里城再興に関し学術面での貢献を果たせるポテンシャルを有している。

これらを踏まえ以下の3つの基本的な考え方のもと学術ネットワークを構築・拡充していく必要がある。

 

(1)組織の枠を超え首里城再興に学術面から貢献するプラットフォームとする

首里城再興に向けた課題は多岐にわたっている。

例えば、沖縄県は、「首里城復興の基本的考え方」において、首里城の復元はもとより首里城に象徴される琉球の歴史・文化の復興に取り組むとしており、県有識者懇談会で取りまとめられた首里城復興基本方針骨子案においても、観光、施設利用、文化財の保全・復元・収集、伝統技術、まちづくり、歴史、文化、教育などが掲げられている。

また、今後進められる基本計画の策定作業においても県内の高等教育機関や研究機関との連携を重視し「国内外の学術ネットワークとの連携」を取り組みの一つに掲げている。

そのため、首里城再興に係る研究・教育に対する期待に応えるためには、県内の大学、研究機関をコアに広範な学際的ネットワークを構築する必要があり、琉球大学はそのハブとなりネットワークの拡充に努めていく必要がある。

また、「首里城再興」という社会的課題をテーマに掲げていることから、首里城再興に関わる様々な関係者と研究者が対話し課題を共有できる場を醸成する必要がある。

さらに、こういったプラットフォーム機能を持つネットワークを琉球大学がハブとなり発展させていくためには、本学が推進する「琉大イノベーションイニシアティブ(仮称)」のもと、大学本部と各機構の連携を図りつつ推進していく必要があり、特に研究推進機構地域連携推進機構が連携したプロジェクトチームを編成することが必要不可欠である。

 

(2)首里城再興に貢献する研究・教育を振興する

研究と教育は大学の本質的なミッションであり、これらの活動が地域を志向することで地域貢献が果たされる。

本学においては、首里城及び沖縄の歴史・文化に関する多くの研究蓄積があり、これらの研究活動の継承を図るとともに、首里城再興を目指す社会の動き、県民及び関係機関のニーズを踏まえた新たな研究分野・研究領域に取り組んでいく必要がある。

また、教育活動においても本学の学生に対する首里城及び沖縄の歴史・文化に関する講座やコースの提供、最新の研究への参加を通して人材の育成を図るとともに、同様な教育機会を社会人にも提供していく必要がある。

そして、これらの研究・教育活動の成果が首里城再興に向けた様々な課題の実現に貢献することで、本学を含む高等教育機関と社会との連携・協力関係が深まっていくといった発展的展開を目指していく必要がある。

 

(3)ワークショップ・シンポジウム等を重ねることでネットワークを拡充する

ネットワークの基本は人と人又は組織間の繋がりであり、その繋がりを維持していく仕組みが重要となる。

首里城再興に関する課題は多岐にわたっており、様々な分野の研究者の参画と融合による学際的な繋がりを醸成するとともに関係機関とも連携しつつ、学生、県民、地域社会との繋がりの中でネットワークを拡充していく必要がある。

ワークショップやシンポジウムは関係者の繋がりを維持する重要な機能を有しており、その定期開催に努める必要がある。

また、ポータルサイト、大学広報及びその他のメディアによる情報発信を積極的に行うとともに、メールマガジンによる情報提供及び関係者へのフィードバックを行うことでネットワークの維持、拡充を図る必要がある。

 

5. 目標

先に示した基本的な考え方を踏まえ、学術ネットワーク構築の初期段階(おおむね2年間)の目標を以下のとおり設定する。

 

(1)組織の枠を超え首里城再興に学術面から貢献するプラットフォームの構築

ネットワーク構築の初期段階においては、基盤づくりのために一定規模の参加者を確保する必要があることから、学内の参加者及び学外の様々な関係者の参加増大に重点を置く。

成果指標としては、シンポジウムやワークショップへの参加者数、参加機関数等が想定される。

 

(2)首里城再興に貢献する研究・教育の振興

当面の目標としては、本学の教員が取り組む新たな研究・教育の支援に重点を置き、先行事例の創出を目指す。

成果指標としては、新たに始まった研究プロジェクト数、教育プログラム数等が想定される。

また、ネットワークの熟度が進展した場合は、本学と他機関との共同研究・教育プログラムを促進するとともに、他機関が実施している研究・教育活動を当学術ネットワークにおいて情報発信することを目指す。

 

(3)ネットワークの拡充

おおむね2年後の成果を踏まえ、プラットフォームとしての機能の充実、首里城再興に向けた高等教育機関と社会との連携・協力関係の深化を図るアクションプランの策定と、その活動を支える体制を検討する。

 

6. アクションプラン(実施計画)

学長諮問で提示されている3つの検討事項については、ネットワーク構築の初期目標の達成に向けた2年間のアクションプラン(実施計画)として提案する。

 

(1)各教員等の効果的なネットワーク構築について

首里城再興に向けた研究プロジェクトと教育プログラムの創出を図る以下の取り組みをとおして、本学の各教員等の学内外のネットワークを拡充する。

 

ア) ワークショップの開催

首里城再興に資する本学教員等の研究・教育活動の深化を図るとともに首里城再興に関わる関係者の取り組みや研究・教育に対する期待など、関係者との相互理解を図るワークショップを開催する。

 

イ) 首里城再興研究プロジェクトの実施

首里城再興に資する多様な研究活動を推進するため、学内公募型の研究プロジェクトを創設する。

 

ウ) 教育プログラムの検討

本学の学生に対する首里城及び沖縄の歴史・文化及びこれらに根差したまちづくり等首里城再興に資する講座等の提供について、これまでの実施状況を踏まえて検討する。

 

(2)効果的な学内外への連絡・広報のあり方について

学術ネットワークの活動を周知するとともに、参加者とのコミュニケーションの増大を図る以下の取り組みをとおしてネットワーク参加者の拡大を図る。

 

ア) ポータルサイトの管理・運営

ポータルサイト「首里城再興学術ネットワーク(準備室)」は、学外者も閲覧できるサイトとして2020年1月14日に開設し情報発信を行っている。

今後は、本学の首里城再興に向けた研究・教育活動の紹介とともに、様々な関係者、関係機関の取り組み等も発信し、首里城再興に向けた研究、教育、社会の動きなどを知ることができる総合的なサイトとしての発展を目指す。

 

イ) メールマガジンの発行

首里城再興に関心のある当学教員等への情報発信とアンケート調査結果のフィードバック等、コミュニケーションの増大を図るメールマガジンを発行する。当分の間は学内対象に配信し、その実施状況を踏まえ学外配信を検討する。

 

ウ) 学長記者懇談会等の活用

定期的に開催されている学長記者懇談会はマスコミとの対話の場として有効であることから、最新の情報を提供し、その活用に努める。また、本学の広報誌やホームページなど本学のメディアを活用した広報を推進する。

 

(3)本ネットワークの持続的な活動に向けた取組について

学術ネットワークの初期段階の目標達成のため、プロジェクトチームを設置しアクションプランを推進するとともに、シンポジウムを定期開催することによりネットワークの拡充を目指す。

 

ア) プロジェクトチームの設置

研究推進機構、地域連携推進機構及び大学本部の教職員で構成するメンバーを指名しプロジェクトチームを設置する。

プロジェクトチームは研究・企画担当副学長を長とし、アクションプラン(実施計画)を推進する。

 

イ) シンポジウムの定期開催

首里城再興に関する研究、教育活動を広く発信するとともに関係者相互の交流を図る「首里城再興学術シンポジウム(仮称)」を毎年開催し、学術ネットワークの拡充を推進する。

 

 

 

 

資料8。首里城再興学術ネットワーク構築に向けた活動及び検討の経緯

 

1. 首里城再興緊急学術シンポジウム

 

企画・実施メンバー

木暮一啓(理事・副学長)

研究企画室:殿岡祐樹(副室長)、富永千尋(特命教授)、

昆 健志(上席 URA)、羽賀史浩(上席 URA)、押海圭一(主任 URA)、

青山洋昭(主任 URA)、河野恵美子(副主任 URA)

戦略的研究プロジェクトセンター:齋藤さやか(特命助教)

研究推進課:大塚克威(課長)、眞喜志 睦(課長代理)、式田 翠(係長)

地域連携推進課:金城まなみ(主任)

企画調整役付:東 香純(専門職員)

 

経緯

2019年11月20日:チーム発足・企画会議

2019年11月27日:研究推進会議にて実施概要説明

2019年12月  4日:学内広報

2019年12月22日:シンポジウム実施

2019年12月26日:アンケート結果の検討、振り返り

 

2. ポータルサイトの開設

 

担当

昆健志(上席 URA)

 

経緯

2020年1月14日 ポータルサイト開設 以後、平日毎日更新

 

3. 教員インタビュー

 

担当

富永千尋(特命教授)

 

経緯

2020年1月22日から2月28日までの間に以下6名の教員に首里城再興と琉大の関わり方等についてインタビュー

人文社会学部:豊見山和行(教授)、高橋そよ(准教授)

国際地域創造学部:池田栄史(教授)、宮國薫子(准教授)

工学部:清水 肇(教授)

地域連携推進機構:小島 肇(特命准教授)

 

4. 首里城再興学術ネットワーク構築に向けた現場視察

 

企画・実施メンバー

木暮一啓(理事・副学長)

研究企画室:富永千尋(特命教授)、昆 健志(上席 URA)、

河野恵美子(副主任 URA)

地域連携企画室:小島 肇(特命准教授)

地域連携推進課:金城まなみ(主任)

企画調整役付:東 香純(専門職員)

 

経緯

2020年2月19日:チーム発足・企画会議

2020年2月25日:美ら島財団と内容調整

2020年3月  2日:学内広報

2020年3月10日:視察実施

2020年3月25日:アンケート結果の検討、振り返り

2020年4月  7日:アンケート結果を参加者にフィードバック

 

5. 学長答申の検討

 

検討メンバー

木暮一啓(理事・副学長)

研究企画室:富永千尋(特命教授)、昆 健志(上席 URA)

研究推進課:大塚克威(課長)

 

経緯

2020年1月  9日:研究企画室メンバーと振り返り

2020年2月13日:枠組みブレインストーミング

2020年2月19日:学長に概要説明

2020年3月18日:骨子検討

2020年3月30日:第1稿検討

2020年4月14日:第2稿検討

2020年4月23日:答申

 

 

 

首里城再興 学術ネットワーク 琉球大学 首里城ネットワーク担当 お問い合わせ先(メール)shuri_net@acs.u-ryukyu.ac.jp