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大学院では、北海道の北方林の群集生態学を研究し、その後、森林の更新動態を長期モニタリングすることによって、生態学的知見から持続可能な森林管理に関する研究に取り組んできました。
林業の発達した日本では経験知にもとづく森林管理がおこなわれてきましたが、生態系の観点からは必ずしも持続可能なものではありませんでした。一方、基礎生態学では、資源として提供可能な量を正確に把握することで、持続可能な資源管理が可能になります。このように、基礎生態学をベースとして応用生態学的な研究をおこなってきました。
基礎的な視点からおこなう応用学的研究は、森林のみならず、海洋や農地などの生態系保全にも適用可能だと考えています。
久保田康裕 教授 くぼた やすひろ
理学部 海洋自然科学科 生物系
熱帯生物圏研究センター(併)
生物多様性ホットスポットとして国際的にも注目されている日本列島および琉球諸島において、生物多様性をどのように維持し、また、保全するか、生物多様性保全戦略の構築のための研究をおこないます。ノアの箱舟問題といわれるように、地球上の全生物を救うための大きな箱舟を作る-全地球を自然保護区とする-ことはできません。人間の経済活動と生物多様性の保全とはトレードオフの関係にあり、適切なバランスを取ることが重要です。
このプロジェクトでは、個々の生物種ではなく、生物の集合体である「生物多様性」を研究対象とし、より包括的で、一般的な枠組みを明らかにします。
研究の枠組みの模式図:基礎研究から応用研究へ、また、地域スケールからマクロスケールへ一般的な枠組みを明らかにします。
Kubota Y, Shiono T and Kusumoto B (2014) Role of climate and geohistorical factors in driving plant richness patterns and endemicity on the East Asian continental islands. Ecography DOI: 10.1111/ecog.00981
Kubota Y, Kusumoto B, Shiono T, Ulrich W, Jabot F (2015) Non-neutrality in forest communities: evolutionary and ecological determinants of tree species abundance distributions. Oikos. DOI: 10.1111/oik.02232
久保田康裕(2011)森林の種多様性。日本生態学会(編)、pp. 206–223。森林生態学。共立出版、東京。
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